公開日 2023-07-03 更新日 -
今回のハードはテスト用。普段使うものにはならない予定です。2009年9月にtesting状態のDebian6(Squeeze)を入れて使っていました。Debian Stretch のインストール計画でDebian9(stretch)を入れた機械です。
今回取り上げる理由は2つ。
部品 | 型番・規格 |
---|---|
マザーボード | ASUS M3A78-EM |
CPU | CPU:AMD Athlon(tm) 64 X2 Dual Core Processor 5600+ × 2 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | OEM250-72AS 250GB |
インストールイメージ | debian-12.0.0-amd64-netinst.iso |
ISOファイル(インストールCD/DVD用イメージ)の入手とUSBメモリへの書き込みについては、32ビットノート(CF-Y7)にdebian11をインストールするの最初の方にありますので省略。ただし、今回は、もっとメジャーなamd64用を取り寄せるので、もっと簡単というところに注意(インテルCPUでも64ビットならamd64でOK)。
いつもは半年ぐらい待って安定してからにするのですが、今回は早めにテストだけでもと。
3.1 sarge 2005年6月6日 4.0 etch 2007年4月8日 5.0 lenny 2009年2月14日 6.0 squeeze 2011年2月6日 7.0 wheezy 2013年5月4日 8.0 jessie 2015年4月25日 9.0 stretch 2017年6月17日 10.0 buster 2019年7月6日 11.0 bullseye 2021年8月14日 12.0 bookworm 2023年6月10日
USBから起動するようにBIOS設定。起動中に[DEL]キーを押す。よく見ると"Press DEL to run Setup" と表示されている。
このBIOSは、USBもHDDの中に入れられているので、その都度指定する必要があるようだ。
ちなみに、ちょっと前にATAドライブならば問題ないことを確認するため、Debian11を入れている。MaxtorのHDDがみえているのがそれ。
すぐにインストーラのメニューが出る。このままEnterする
言語選択画面になります。正確にはインストールに使う言語です。Englishが初期値として出ています。
スクロールしてJapaneseを選択し、continueします。Italianの後にでてきます。
次は場所の選択です。日本語を選択したので、ここから説明も日本語です。「日本」を選び[続ける]を選びますます。説明にあるように場所の選択とは時間帯とロケールです。
キーボードの選択です。かななどの設定があるかどうかではなく、英字記号の配置の指定なのだと思います。普通のキーボードなら「日本語」を選ぶことになります。
ローカルネットワークに複数のコンピュータを置く場合に識別する名前ですが、機構上一台でも必要です。初期値としてはdebianが入っています。うちはdebianだらけなので同じ名前にならないように変更します。今回も最近目にした数学者の名前にしました。
しっかりとインターネットの仕組みを理解するのは過剰という意味で、このページの解説はなかなかよくできています。普通の人はホームネットワークなので、外にこの設定は出ませんから、たとえばouchi.comとかにしておけばよいでしょう。ある理由からlocalという単語は避けます。
dabiyone.comはウエブページとメールのために個人で取得したドメインです。年間1,728円で維持しています。nan.dabiyone.comはそのサブドメインの形ですが、実際には内々での使用です。
にもかかわらず、ローカルネットワーク内では、/etc/hostの設定でbanach.dabiyone.comで使えますし、mdnsにより、banach.localでもアクセスできますから、本当に何でも良いといえます。
root(管理者)のパスワード設定。設定しないとrootを使えなくして第一ユーザーにsudoの権利をつけると言っている。Ububtuではデフォルトでこうなる。もっとも、sudo su でrootにはなれる。
一般ユーザーの普通の名前。いつも adachi junichi と入れてユーザー名をadachiにしている。/etc/password ファイルに書かれるだけ。
割り当てるUsernameを決める。前の Full name から最初の単語が選ばれて、初期値になる。
家の中のユーザー名とパスワードは統一してある。
インストールするパーティションの選択。今回はまっさらにして入れるディスクなのでおまかせにする。LVMは故障時に不安なので使ったことがない。
ディスクの選択。2つ目のディスクに入れる。3つ目インストールのために挿しているUBSメモリ。
初心者ユーザーに推奨されている1つのパーティションにするのが初期値です。
自分の作成したファイルを格納する/homeを別にするのを選ぶことにします。これはOS用に使う部分を分けて、故障時に自分のファイルを守るためという理由がありました。SSDになってからはそれで救われる故障はないような気がしています。今回は古いハードにお試しのインストールなのでこうします。
自動に/homeパーティションの分割した結果を示して、確認を求めています。よければ、下方の「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」を選択して[続ける]をクリックします。
SCSI1(sda)にはすでにdebian11がインストールされているHDDが見えます。今回はこれには触りません。
SCSI5(sdb)が今回のインストール対象です。30GBのシステム領域と1.0GBのスワップ領域を確保して残りの219GBを/homeに割り当てています。
「パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み」とあるように、まだどのように分けるかの設計段階でディスクには書き込みしていませんからやり直しができます。
ext4はLinuxで一般的なフォーマットの形式です。多分ここでの追加設定で変更できるでしょう。3.はメインメモリが不足するときに一時的にデータを退避させる場所です。これをどのぐらいとるかは時代とともに変遷があります。最近はメモリが潤沢なので不要になってきているのでしょう。自動に任せておきます。
書き込んでよいか、最終確認されます。「いいえ」が選択されているのを「はい」にして[続ける]をクリックする必要があります。逆に言うとまだやり直しがききます。
パーティションの切り分けが終わればOSのインストールですが、ネットインストはインターネット上のアーカイブからデータを取り寄せて行います。Debianのアーカイブは各所にありますから、どこから取り寄せるのが速いかの選択です。日本でいいでしょう。
デフォルトはdeb.debian.orgです。日本からならこれで最適なところへ振り分けてくれるはずです。自分のインターネット環境が特別なところを経由している場合は「近い(速い)」ところが別にあるかも知れません。
インターネット接続の環境が特別でプロキシ(中継機構)経由でなければ接続できない場合の設定です。普通は空欄のまま。
どんなパッケージを必要としたかの統計に情報を送ることを許すかどうかの設定です。最近のデフォルトは「いいえ」です。どちらでも。
ソフトウェアの選択です。ご心配なく。ごく一部の選択です。
メインの選択はデスクトップ環境の選択です。...GNOME から ...LXQt までのどれかを選択します。GNOMEをおすすめします。
GNOME, KDE, Xfce の3つが選択肢だった時代にGNOMEを選んでから、どれもかなり変わりましたが、使い慣れたGNOMEを使い続けています。当時はメニューにすべてが詰まっていてわかりにくいKDE、思い切って整理されていたGNOME、軽量といいながら力ないPCではそれほど変わらず重たいXfceでした。デスクトップ環境も選択できるというので、GNOMEとCinamonを両方入れてみたことがありました。ログインのときに切り替えることができるのですが、同じソフトが2つアンコンを変えてメニューに並んだりして煩わしいのでおすすめできません。
標準システムユーティリティは拒否したら何が起こるか試していません。入れときましょう。
Webサーバーは普通は不要。私はこれを動かして、ローカルの他のPCからbanach.dabiyone.comまたはbanach.localでウェブページを閲覧できるようにしています。特にPHPを利用して住所録とメモを管理しています。
sshは私には必須。他のPC(すべてLINUX)に端末でアクセスして操作したり、ファイルマネージャでsftpによるファイル共有をします。
ハードウェアクロック(マザーボード上のクロック)を世界協定時(UTC)に合わせてよいか聞いています。これは聞かれることがあったりなかったり。
ここの用語の「システムの時計」「時計」「システム時間」というのが曖昧です。
とにかく、マザーボード上のハードウェアクロックはロケールの概念のない時計です。Windowsがこれをローカルタイム(日本では+9:00)に合っていることを期待するので、両方インストールされている場合はローカルタイムに合わせて、Linux側がそれを覚えておきます。覚えておいてどう運用するのかそこがちょっと問題ではあるのですが、Windowsが入っていなければUTCに合わせておくのがよいとされていました。ここでも「はい」を選んでそうしています。
これまで問題に感じたことがなかったのですが、最近、デジタルカメラのファイルのタイムスタンプがLinuxによってUTCで保存されていると判断されて+9:00される結果、未来のタイムスタンプになってしまうという問題に気づきました。exifの記録はロケール付きなので問題ないのですが、FAT32などのSDのタイムスタンプではロケールが考慮されないので問題となります。exFATだとロケールが記録できるのですが、カメラとlinuxファイルシステムが双方で対応しなければうまく動きません。
そこを考えるとここでは「いいえ」を選択したほうが得策かもしれません。
これでインストールは終了です。
インストールメディアが取り除かれていることを確認せよと言われていますが、ここでUSBメモリを抜くと終了までに文句を言われることになると思います。最近試していないですが、USBメモリから読み込んだbashスクリプトを実行しているので続けられなくなるようです。[続ける]で先に進むと再起動がかかります。画面が暗くなったときに抜くということでかまいません。
マザーボードによっては、USBの起動順序からそのままでも大丈夫という例もありました。
実は今回もスクリーンショットの保管をしているので、前の画面では[続ける]ではなく[戻る]を選択します。
戻ると、「インストーラメインメニュー」に戻ります。「インストールの完了」になっているはずです。
この図は、普通には見えていないのですが、インストールの進捗を表していて、何かトラブルがあると出てきて指定場所から再挑戦ができたりします。
今回は「シェルの実行」を選択します。
まず戻り方が出ます。
ls -l /var/log で保存したスクリーンショットを確認しています。画像の他に、syslogなども見えます。
/target 以下が、インストールされたHDDということです。コピー先を、/target/opt にしようか、/target/srv にしようか、/target/home/adachi にしようかまよってそれぞれlsをとりますが、どこも空です。
cp -a /var/log /target/srv で再起動後の/srvにlogディレクトリごとコピーすることにします。
-aをつけてタイムスタンプが更新されないようにします。これは画像の取得順がわからなくならないようにとの工夫です。しかし、UTCの問題があって9時間ずれることがあります。
[戻る]で戻れます。
戻ったら、インストールの完了を選択します。
ほんとうに戻れるまで2,3手順が合ったかもしれません。
GRUBは2台目のHDDに入れたが、1台目のHDD内のDebian11もメニューに入っている。
メニュー部分を拡大したもの。
起動すると一人しか登録していないユーザーを示してユーザーの選択を待つ。この事情を知らないと「アカウントが見つかりませんか」というのは違和感がある。
ユーザーを選択するとパスワードを求められる。
GNOMEの最初の表示はちょっと変更になっている。[アクティビティ]を選択(またはマウスを左上の角に移動)したときの、メニューやウインドウの選択画面になる。メニューは左側から下に移動した。
今回のディスプレイは1280×1024のもの一台のみなので、どのみち不具合はでないのだが、Debian11のときに必要だったnon-freeの追加firmwareがすでに入っていた。
グラフィックが AMD RS780、 ウインドウシステムが Wayland になっていることから伺える。
インストール時のスクリーンショットを保存していた /var/log に他のlogも残っている。Xorg.0.log, partman, firmware-summary, syslog の4つ。
firmware-summaryには次の3つのfirmwareが書かれている。
firmware-amd-graphics non-free-firmware modalias firmware-realtek non-free-firmware modalias amd64-microcode non-free-firmware cpu
これがインストールされたということか確認のためsyslogを見ると、インストールされていることがわかります。
Jun 21 06:09:51 install-firmware: pci:v00001002d00009610sv00001043sd000082F1bc03sc00i00 Jun 21 06:09:51 install-firmware: detected the need for firmware-amd-graphics (non-free-firmware) via modalias Jun 21 06:09:52 install-firmware: ... added /cdrom/firmware/firmware-amd-graphics_20230210-5_all.deb to the firmware cache Jun 21 06:09:52 install-firmware: pci:v000010ECd00008168sv00001043sd000082C6bc02sc00i00 Jun 21 06:09:52 install-firmware: detected the need for firmware-realtek (non-free-firmware) via modalias Jun 21 06:09:52 install-firmware: ... added /cdrom/firmware/firmware-realtek_20230210-5_all.deb to the firmware cache Jun 21 06:09:52 install-firmware: queuing amd64-microcode installation (AuthenticAMD) Jun 21 06:09:52 install-firmware: pre-enabling non-free-firmware component for apt-setup .... Jun 21 06:18:17 in-target: 以前に未選択のパッケージ firmware-amd-graphics を選択しています。 Jun 21 06:18:17 in-target: (データベースを読み込んでいます ... 現在 16014 個のファイルとディレクトリがインストールされています。) Jun 21 06:18:17 in-target: .../firmware-amd-graphics_20230210-5_all.deb を展開する準備をしています ... Jun 21 06:18:17 in-target: firmware-amd-graphics (20230210-5) を展開しています... Jun 21 06:18:21 in-target: firmware-amd-graphics (20230210-5) を設定しています ... .... Jun 21 06:18:22 in-target: 以前に未選択のパッケージ firmware-realtek を選択しています。 Jun 21 06:18:22 in-target: (データベースを読み込んでいます ... 現在 16801 個のファイルとディレクトリがインストールされています。) Jun 21 06:18:22 in-target: .../firmware-realtek_20230210-5_all.deb を展開する準備をしています ... Jun 21 06:18:22 in-target: firmware-realtek (20230210-5) を展開しています... Jun 21 06:18:23 in-target: firmware-realtek (20230210-5) を設定しています ... .... Jun 21 06:48:04 in-target: 取得:1 cdrom://[Debian GNU/Linux 12.0.0 _Bookworm_ - Official amd64 NETINST with firmware 20230610-10:21] bookworm/non-free-firmware amd64 amd64-microcode amd64 3.20230414.1 [117 kB] Jun 21 06:48:05 in-target: 以前に未選択のパッケージ amd64-microcode を選択しています。 Jun 21 06:48:05 in-target: (データベースを読み込んでいます ... ... Jun 21 06:48:06 in-target: .../amd64-microcode_3.20230414.1_amd64.deb を展開する準備をしています ... Jun 21 06:48:06 in-target: amd64-microcode (3.20230414.1) を展開しています... Jun 21 06:48:06 in-target: amd64-microcode (3.20230414.1) を設定しています ...
リポジトリにはmain, contrib, non-free の他に non-free-firmware というのが追加され、チェックが入っている。