1の180乗根...を累巡回拡大で表す

目次

体の包含関係

中間体のとり方は、いくつかあるはずですが、まずは書籍Iにしたがって、次のようにとってみます。

ℚ(ζ)で付け加わる元として書いてあるのは、ζから派生するけど、ℚ(ζ5)の元にならないものです。

ℚ(ζ5)で付け加わる元として書いてあるのは、ζ5から派生するけど、ℚ(ζ45)の元にならないものです。

ℚ(ζ45)で付け加わる元として書いてあるのは、ζ45(=i)から派生するけど、ℚの元にならないものです。

ℚ(ζ)
ℚ(ζ5) ζ1234,
ζ6789,
ζ11121314,
... ,ζ179
ℚ(ζ45) (=ℚ(i)) ζ5101520,
ζ25303540,
ζ50556065,
... ,ζ175
ζ45135
ζ90

各拡大ごとのガロア群

書籍Iではどの拡大でもガロア群の元のひとつを単にσと書いて<σ>を求めていますが、ここでは、σi(ζ)=ζi を使って区別して書きます。

まず、それぞれの元を列挙します。

Gal(ℚ(ζ)/ℚ) σ1(=e),σ7111317192329,...,σ179 巡回群でない
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)) σ3710973,e 37> (位数4の巡回群)
Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)) σ2512585651455 注1 位数6の巡回群
Gal(ℚ(ζ45)/ℚ) σ179,e 注2 179> (位数2の巡回群)

注1 書籍Iではσ(ζ)=ζ5として(つまりσ5)、σの巡回を調べます。

σ(ζ5)=ζ25
σ25)=ζ125
σ35)=ζ85
σ45)=ζ65
σ55)=ζ145
σ65)=ζ5

σ6はζ5を変換しないのでeであるといっています。

σ(ζ)=ζ5と明言しているので、σ2はσ25になってしまいます。ここに書いたσの添字はこれに従っています。

しかし、これでは支障があります。

Gal(ℚ(ζ)/ℚ) = Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)) × Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)) × Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45))

が成立しません。eがなくなります。σ25などGal(ℚ(ζ)/ℚ)には存在しないものが残ります。

おそらく、σ(ζ)=ζ5としたのが間違いです。ここではζ5に作用してζ25になる変換で、位数が6で巡回するものであればいいので、σ(ζ)=ζ5とは限りません。(書籍Iでもこのσ(ζ)=ζ5のσはℚ(ζ)上の同型写像でないと注意を促し、σ(ζ)=ζ29のσをとればよいのだが、べき数の計算が目で追えないのでσ(ζ)=ζ5を使ったとしています。)

ひょっとすれば、さらにζ25にならなくても、適当に巡回して位数が6であるものでいいのだと思います。(σ29はこれに当たります)

注2 書籍Iではσ(i)=-i としていますが、Gal(ℚ(ζ)/ℚ) の中では σ179 がそれに当たります。

正しい位数6の巡回群

ではとりあえず、ζ5に作用してζ25になる変換を探します。

mod 180 で考えますから、ζ25+180*i でもよいわけです。

σ(ζ5)=ζ25+180 なら σ=σ41
σ(ζ5)=ζ25+360 なら σ=σ77
σ(ζ5)=ζ25+540 なら σ=σ113
σ(ζ5)=ζ25+720 なら σ=σ149
σ(ζ5)=ζ25+900 なら σ=σ5 で戻ります。

それぞれの巡回の様子です。

σ1σ2σ3σ4σ5σ6σ7σ8σ9σ10σ11σ12
σ41ζζ41ζ61ζ161ζ121ζ101ζ1ζ41ζ61ζ161ζ121ζ101ζ1
σ77ζζ77ζ169ζ53ζ121ζ137ζ109ζ113ζ61ζ17ζ49ζ173ζ1
σ113ζζ113ζ169ζ17ζ121ζ173ζ109ζ77ζ61ζ53ζ49ζ137ζ1
σ149ζζ149ζ61ζ89ζ121ζ29ζ1ζ149ζ61ζ89ζ121ζ29ζ1
σ5ζ5ζ25ζ125ζ85ζ65ζ145ζ5ζ25ζ125ζ85ζ65ζ145ζ5

ということで「ζ5に作用してζ25になる変換で、位数が6で巡回するもの」の候補は <σ41>か<σ149>です。

5の部分は無理やり合わせて書いたものです)

各拡大ごとのガロア群の書き直し

これで原始180乗根ζを使って統一して定義したσを使って書くことができます。

41>を用いると

Gal(ℚ(ζ)/ℚ) σ1(=e),σ7111317192329,...,σ179 巡回群でない
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)) σ3710973,e 37> (位数4の巡回群)
Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)) σ4161161121101,e 41> (位数6の巡回群)
Gal(ℚ(ζ45)/ℚ) σ179,e 179> (位数2の巡回群)

149>を用いると

Gal(ℚ(ζ)/ℚ) σ1(=e),σ7111317192329,...,σ179 巡回群でない
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)) σ3710973,e 37> (位数4の巡回群)
Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)) σ149618912129,e 149> (位数6の巡回群)
Gal(ℚ(ζ45)/ℚ) σ179,e 179> (位数2の巡回群)

適当に巡回して位数が6であるもの

Gal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45))に使えるものを更に探します。

プログラムで書き出したものから、ℚ(ζ45)を固定して位数が6であるものを選ぶと次の6つです。

41>と<σ149>の他に、<σ29>,<σ49>,<σ101>,<σ169>が使えることがわかります。

σσの累乗固定するか位数σ(ζ5)
σ2929 121 89 61 149 1 True6145
σ4141 61 161 121 101 1 True625
σ4949 61 109 121 169 1 True665
σ101101 121 161 61 41 1 True6145
σ149149 61 89 121 29 1 True625
σ169169 121 109 61 49 1 True6125

実はσ49とσ169はのちに「巡回を考える」で不適格とされます。

ガロア群の包含関係

ガロア群と中間体の対応を書くと、

Gal(ℚ(ζ)/ℚ)  ⊃  Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ45))  ⊃  Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)) ⊃  {e}
    ℚ         ⊂      ℚ(ζ45)         ⊂      ℚ(ζ5)       ⊂  ℚ(ζ)

{e} は Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ)) なのでしょうから表にしてみます。

表の上下を体の包含関係に合わせてあります。16乗の時と上下が逆です。

e σ3773109 σ13, σ17, σ29, σ41, σ49,
σ53, σ61, σ77, σ89, σ97,
σ101113121133137,
σ149157161169173
σ7, σ11, σ19, σ23, σ31, σ43,
σ47, σ59, σ67, σ71, σ79, σ83,
σ91, σ103107119127131,
σ139143151163167179
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ))
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ5))
Gal(ℚ(ζ)/ℚ(ζ45))
Gal(ℚ(ζ)/ℚ)

上で述べたGal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45))などの各拡大で出てきたσと混同しがちなので、/ の右側、分母に当たる部分が広いものが上になるように表をつくりました。

ℚ(ζ)/ℚのガロア群から改めて考える

包含関係に書かれるガロア群とGal(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45))やGal(ℚ(ζ45)/ℚ)との関係を明らかにしたいのです。

ℚ(ζ)/ℚから考えます。ζを1の180乗根としました。180=32*22*5なので、φ(180)=3*2*2*4=48 から原始180乗根の数は48個です。ζi(1≦i≦179)のうち、iが180と互いに素であるものです。▶

ガロア群のGal(ℚ(ζ)/ℚ)の元はζiを互いに変換しますが、ζ1の変換を決めれば他の変換は同型写像の条件より決定されますから、σi(ζ)=ζiで48個のすべての変換に名前をつけます。

イメージは下図のとおり。σiはℚ(ζ)の元ではないですが、ℚ(ζ)中の元を変換するという意味合いで入れています。本当は ζ1↦ζ7 と書いて↦の上にσ7と書き、 ζ1↦ζ11 と書いて↦の上にσ11と書く....などとしたいところですが、煩雑なのでやめておきます。

ℚ(ζ)

ζ12345, ζ6,ζ78910, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ1(=e),σ7111317192329, ... ,σ179

1,ζ90

ℚ(ζ^5)を加える

中間体としてℚ(ζ5)を考えます。ℚ(ζ)内部に ℚ(ζ5)/ℚが入っている図です。

ζ5で書くとわかりづらいですが、1の36乗根です。36=32*22なので、φ(36)=3*2*2=12 から原始36乗根の数は12個です。

ζj(1≦j≦179)のうち、jが5の倍数であるものが、ℚ(ζ5)内に入ります。

問題はσです。ℚ(ζ5)を固定するものだけをℚ(ζ)内に残します。ℚ(ζ)内にはℚ(ζ)中の元を変換するものを書くことにしたからです。ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)を考えると適切でしょう。固定するものを実際に調べるとσ1(=e),σ3773109の4つだけです。▶

すると、ℚ(ζ5)を固定しないσは48-4で44個です。これが、ℚ(ζ5)内に入るのでしょうか。これでは多過ぎます。12個でいいのです。

ℚ(ζ)

ζ1234, ζ6,ζ789, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ1(=e),σ3773109

ℚ(ζ5)

ζ510152025, ... ,ζ175

σ7111317192329, ... ,σ179??

1,ζ90

1の36乗根を加えた体

改めてℚ(ζ5)/ℚを考え直します。η36=1 として ℚ(η)/ℚ を考えます。

η=ζ5

という対応をしています。

ηi(1≦i≦35)のうち、iが36と互いに素であるものが原始36乗根となり、12個あります。

η,η57111317192325293135

です。同型写像も12個です。

τi(η)=ηi と名前をつけましょう。

τとσの対応を調べます。η=ζ5ですから、ζ5をζ5*iに換えるものがτiです。つまり、

σk5)=ζ5*i ならば、σki

です。

σとτの対応を調べる
σ作用前作用後iの値対応するτ
σ1ζ5ζ51τ1
σ7ζ5ζ357τ7
σ11ζ5ζ5511τ11
σ13ζ5ζ6513τ13
σ17ζ5ζ8517τ17
σ19ζ5ζ9519τ19
σ23ζ5ζ11523τ23
σ29ζ5ζ14529τ29
σ31ζ5ζ15531τ31
σ37ζ5ζ185≡ζ5 注31τ1
σ41ζ5ζ205≡ζ25 5τ5 注4
σ43ζ5ζ215≡ζ357τ7
σ47ζ5ζ235≡ζ5511τ11
σ49ζ5ζ245≡ζ6513τ13
σ53ζ5ζ265≡ζ8517τ17
σ59ζ5ζ295≡ζ11523τ23
σ61ζ5ζ305≡ζ12525τ25
σ67ζ5ζ335≡ζ15531τ31
σ71ζ5ζ355≡ζ17535τ35
σ73ζ5ζ365≡ζ51τ1
σ77ζ5ζ385≡ζ255τ5
σ79ζ5ζ395≡ζ357τ7
σ83ζ5ζ415≡ζ5511τ11
σ89ζ5ζ445≡ζ8517τ17
σ91ζ5ζ455≡ζ9519τ19
σ97ζ5ζ485≡ζ12525τ25
σ101ζ5ζ505≡ζ14529τ29
σ103ζ5ζ515≡ζ15531τ31
σ107ζ5ζ535≡ζ17535τ35
σ109ζ5ζ545≡ζ51τ1
σ113ζ5ζ565≡ζ255τ5
σ119ζ5ζ595≡ζ5511τ11
σ121ζ5ζ605≡ζ6513τ13
σ127ζ5ζ635≡ζ9519τ19
σ131ζ5ζ655≡ζ11523τ23
σ133ζ5ζ665≡ζ12525τ25
σ137ζ5ζ685≡ζ14529τ29
σ139ζ5ζ695≡ζ15531τ31
σ143ζ5ζ715≡ζ17535τ35
σ149ζ5ζ745≡ζ255τ5
σ151ζ5ζ755≡ζ357τ7
σ157ζ5ζ785≡ζ6513τ13
σ161ζ5ζ805≡ζ8517τ17
σ163ζ5ζ815≡ζ9519τ19
σ167ζ5ζ835≡ζ11523τ23
σ169ζ5ζ845≡ζ12525τ25
σ173ζ5ζ865≡ζ14529τ29
σ179ζ5ζ895≡ζ17535τ35

注3 ζ5がζ185になったことは、ηがη37になったこと。ηは mod 36 で考えるから η37≡η=ζ5 。つまり、ζで mod 180 で計算して良いことになる。σ37はℚ(ζ5)を固定するので、もともとここには入っていない。

注4 1≦i≦31までσiiであったが、τ5があるはずなのに抜けていた。ここでそれが出てきた。

σとτの対応のまとめ
τ対応するσ
τ1σ13773109
τ5σ4177113149
τ7σ74379151
τ11σ114783119
τ13σ1349121157
τ17σ175389161
τ19σ1991127163
τ23σ2359131167
τ25σ6197133169
τ29σ29101137173
τ31σ3167103139
τ35σ71107143179

最後の、τ3571107143179で言えば、ℚ(ζ5)の内部では、σ71107143179は全部同じものですから、この中のどれかがあれば、τ35の働きをするということです。

ℚ(ζ)⊃ℚ(ζ^5)⊃ℚと中間体のある場合のガロア群

各拡大ごとのガロア群との対応に戻って、「σとτの対応のまとめ」から、とりあえず添字の数値が小さいものを入れてみます。

ℚ(ζ)

ζ1234, ζ6,ζ789, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ1(=e),σ3773109

ℚ(ζ5)

ζ510152025, ... ,ζ175

σ1(=e),σ711131719, σ232931416171

1,ζ90

σ1(=e)が2つあるのが気になりますが、これがなければ Gal(ℚ(ζ5)/ℚ)においてζ5をζ5に移す変換がなくなってしまいますし、 12個という数も揃わなくなりますので入れておきます。

さて、再びGal(ℚ(ζ)/ℚ)を考えると、前の図では変換が48個あったものが省かれてしまったものがでて、数が足りません。

しかし、上層の(ℚ(ζ)に働くσ1(=e),σ3773109の4つと掛け合わせることで4×12=48となります。

例としてτ35で説明します。τ35からはσ71107143179のうちどれかを選択します。どれを選択しても、σ1(=e),σ3773109と掛け合わせることで、残りの3つが出てきます。

掛け合わせることで、残りの3つが出てくる
τ 対応するσの添字 σ1 σ37 σ73 σ109
τ35 71107143179 71107143179

71が選択されていて、71×1=71, 71×37=2627≡107(mod180), 71×73=5183≡143(mod180), 71×109=7739≡179(mod180) ということで、残りの3つが出ています。71の代わりにクリックで107,143,179のどれかを選択しても、同じ4つが揃います。

以下で他の要素についても確認できます。

掛け合わせることで、残りの3つが出てくる
τ 対応するσの添字 σ1 σ37 σ73 σ109
τ1 13773109 13773109
τ5 4177113149 4177113149
τ7 74379151 74379151
τ11 114783119 114783119
τ13 1349121157 1349121157
τ17 175389161 175389161
τ19 1991127163 1991127163
τ23 2359131167 2359131167
τ25 6197133169 6197133169
τ29 29101137173 29101137173
τ31 3167103139 3167103139
τ35 71107143179 71107143179

ζ^45を固定する変換を洗い出す

τnに選択した変換が全体で巡回群になっていれば可解列を見つけたことになります。でも書籍Iでもう1段階の中間体を入れていますから、巡回群にはなっていないのでしょう。書籍Iの次の中間体はℚ(ζ45)です。τnに相当する要素の巡回を調べながら、ℚ(ζ45)を固定するか調べてみます。

ζ45は、1の4乗根です。4=22なので、φ(4)=2*1=2 から原始4乗根の数は2個です。もちろん、ζ45とζ135です。

ζj(jは5の倍数)のうち、jが45の倍数であるものが、ℚ(ζ45)内に入ります。

次の表は「適当に巡回して位数が6であるもの」で使ったものを全部書き出しました。

37>は、{37 109 73 1}となり、ζ45を変化させず(True)、位数は4で、ζ5は変化しないと読みます。

σ生成される巡回群(σの添字だけ)ζ45の固定位数ζ5の巡回(ζの指数だけ)
σ3737 109 73 1 True45 5 5 5
σ7373 109 37 1 True45 5 5 5
σ109109 1 True25 5
σ4141 61 161 121 101 1 True625 125 85 65 145 5
σ7777 169 53 121 137 109 113 61 17 49 173 1 True1225 125 85 65 145 5 25 125 85 65 145 5
σ113113 169 17 121 173 109 77 61 53 49 137 1 True1225 125 85 65 145 5 25 125 85 65 145 5
σ149149 61 89 121 29 1 True625 125 85 65 145 5
σ77 49 163 61 67 109 43 121 127 169 103 1 False1235 65 95 125 155 5 35 65 95 125 155 5
σ4343 49 127 61 103 109 7 121 163 169 67 1 False1235 65 95 125 155 5 35 65 95 125 155 5
σ7979 121 19 61 139 1 False635 65 95 125 155 5
σ151151 121 91 61 31 1 False635 65 95 125 155 5
σ1111 121 71 61 131 1 False655 65 175 125 115 5
σ4747 49 143 61 167 109 83 121 107 169 23 1 False1255 65 175 125 115 5 55 65 175 125 115 5
σ8383 49 107 61 23 109 47 121 143 169 167 1 False1255 65 175 125 115 5 55 65 175 125 115 5
σ119119 121 179 61 59 1 False655 65 175 125 115 5
σ1313 169 37 121 133 109 157 61 73 49 97 1 True1265 125 5 65 125 5 65 125 5 65 125 5
σ4949 61 109 121 169 1 True665 125 5 65 125 5
σ121121 61 1 True365 125 5
σ157157 169 73 121 97 109 13 61 37 49 133 1 True1265 125 5 65 125 5 65 125 5 65 125 5
σ1717 109 53 1 True485 5 85 5
σ5353 109 17 1 True485 5 85 5
σ8989 1 True285 5
σ161161 1 True285 5
σ1919 1 False295 5
σ9191 1 False295 5
σ127127 109 163 1 False495 5 95 5
σ163163 109 127 1 False495 5 95 5
σ2323 169 107 121 83 109 167 61 143 49 47 1 False12115 125 175 65 55 5 115 125 175 65 55 5
σ5959 61 179 121 119 1 False6115 125 175 65 55 5
σ131131 61 71 121 11 1 False6115 125 175 65 55 5
σ167167 169 143 121 47 109 23 61 107 49 83 1 False12115 125 175 65 55 5 115 125 175 65 55 5
σ6161 121 1 True3125 65 5
σ9797 49 73 61 157 109 133 121 37 169 13 1 True12125 65 5 125 65 5 125 65 5 125 65 5
σ133133 49 37 61 13 109 97 121 73 169 157 1 True12125 65 5 125 65 5 125 65 5 125 65 5
σ169169 121 109 61 49 1 True6125 65 5 125 65 5
σ2929 121 89 61 149 1 True6145 65 85 125 25 5
σ101101 121 161 61 41 1 True6145 65 85 125 25 5
σ137137 49 53 61 77 109 173 121 17 169 113 1 True12145 65 85 125 25 5 145 65 85 125 25 5
σ173173 49 17 61 113 109 137 121 53 169 77 1 True12145 65 85 125 25 5 145 65 85 125 25 5
σ3131 61 91 121 151 1 False6155 125 95 65 35 5
σ6767 169 163 121 7 109 103 61 127 49 43 1 False12155 125 95 65 35 5 155 125 95 65 35 5
σ103103 169 127 121 43 109 67 61 163 49 7 1 False12155 125 95 65 35 5 155 125 95 65 35 5
σ139139 61 19 121 79 1 False6155 125 95 65 35 5
σ7171 1 False2175 5
σ107107 109 143 1 False4175 5 175 5
σ143143 109 107 1 False4175 5 175 5
σ179179 1 False2175 5

ℚ(ζ^45)を加える

ζ45とζ135をℚ(ζ45)に入れました。

やはり問題はσです。ℚ(ζ45)を固定するものだけをℚ(ζ5)内に残します。ℚ(ζ5)内にはℚ(ζ5)中の元を変換するものを書くことにしたからです。ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)を考えると適切でしょう。固定するものを実際に調べて、σ1(=e),σ1317, σ612941の6つですが、それぞれ独立に4つの選択肢があります。仮に一番添字の数値が低いものを書いています。

固定しないσは6個になりますが、例によって多すぎます。

ℚ(ζ)

ζ1234, ζ6,ζ789, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ1(=e),σ3773109

ℚ(ζ5)

ζ510152025, ... ,ζ175

σ1(=e),σ1317612941 (仮に)

ℚ(ζ45)

ζ45, ζ135

σ1(=e),σ71119233171 (多いけど)

1,ζ90

1の4乗根を加えた体

改めてℚ(ζ45)/ℚを考え直します。θ4=1 として ℚ(θ)/ℚ を考えます。

θ=ζ45

という対応をしています。

θi(1≦i≦3)のうち、iが4と互いに素であるものが原始4乗根となり、2個あります。

θ,θ3

です。同型写像も2個です。

υi(θ)=θi と名前をつけましょう。

υ1(θ)=θ1, υ3(θ)=θ3

ですから

σk45)=ζ45 ならば、σk1
σk45)=ζ135 ならば、σk3

です。

σ1(=e),σ7, σ11, σ19, σ23, σ31, σ71について調べると、当然、σ145)=ζ45ですが、その他は全部 ζ135になりますから、υ3 に相当します。

υ32(θ)=θ9=θですから、位数は2です。

σの方はσn245)=ζ45の様に、ζ45への作用では位数2で巡回するけれども、σnそのものの位数は、12と6もあることがわかります。

σ生成される巡回群(σの添字だけ)位数ζ45の巡回(ζの指数だけ)
σ77 49 163 61 67 109 43 121 127 169 103 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ1111 121 71 61 131 1 6135 45 135 45 135 45
σ1919 1 2135 45
σ2323 169 107 121 83 109 167 61 143 49 47 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ3131 61 91 121 151 1 6135 45 135 45 135 45
σ7171 1 2135 45

それぞれのσnは、それぞれ4つの候補のうちとりあえず選んだものなので、全部調べてみます。同じグループでも巡回の様子や位数は異なります。ζ45だけは位数2で巡回しています。

σ生成される巡回群(σの添字だけ)位数ζ45の巡回(ζの指数だけ)
σ1 σ11 145
σ3737 109 73 1 445 45 45 45
σ7373 109 37 1 445 45 45 45
σ109109 1 245 45
σ7 σ77 49 163 61 67 109 43 121 127 169 103 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ4343 49 127 61 103 109 7 121 163 169 67 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ7979 121 19 61 139 1 6135 45 135 45 135 45
σ151151 121 91 61 31 1 6135 45 135 45 135 45
σ11 σ1111 121 71 61 131 1 6135 45 135 45 135 45
σ4747 49 143 61 167 109 83 121 107 169 23 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ8383 49 107 61 23 109 47 121 143 169 167 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ119119 121 179 61 59 1 6135 45 135 45 135 45
σ19 σ1919 1 2135 45
σ9191 1 2135 45
σ127127 109 163 1 4135 45 135 45
σ163163 109 127 1 4135 45 135 45
σ23 σ2323 169 107 121 83 109 167 61 143 49 47 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ5959 61 179 121 119 1 6135 45 135 45 135 45
σ131131 61 71 121 11 1 6135 45 135 45 135 45
σ167167 169 143 121 47 109 23 61 107 49 83 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ31 σ3131 61 91 121 151 1 6135 45 135 45 135 45
σ6767 169 163 121 7 109 103 61 127 49 43 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ103103 169 127 121 43 109 67 61 163 49 7 1 12135 45 135 45 135 45 135 45 135 45 135 45
σ139139 61 19 121 79 1 6135 45 135 45 135 45
σ71 σ7171 1 2135 45
σ107107 109 143 1 4135 45 135 45
σ143143 109 107 1 4135 45 135 45
σ179179 1 2135 45

υ3と同様にσnも、位数2で巡回しなければならない(確証はないですが)とすると、σ1991, σ71, σ179 という4つの選択肢があるということになります。

いろいろな組み合わせを試してみる

ℚ(ζ5)には取り合えず σ1(=e),σ1317, σ612941の6つを残しましたが、巡回を考慮しなければそれぞれ4つの候補から選択できました。これをまだ確定できずにいますが、さらにℚ(ζ45)に移したものから、2つ残して、ℚ(ζ5)に残した6つと掛け合わせて12のτに相当するσが出てくるようにしなければなりません。

ℚ(ζ45)に残す候補は、υ1に相当するもの4つから一つ。υ3も位数2を考慮するとσ1991, σ71, σ179の4つから一つです。

ただ、念の為に位数2でないものも含めて24個用意して調べると、掛け合わせて必要な12個が出てくるようになっています。

ℚ(ζ45)に移すσと、ℚ(ζ5)に残すσの選択
ℚ(ζ45)のυに対するσの選択 ℚ(ζ5)のτに対するσの選択
τ1τ5τ13τ17τ25τ29
14113 176129
377749 5397101
73113121 89133137
109149157 161169173
14113176129
τ1 13773109 υ11 14113176129
τ7 74379151 υ3179 179139167163119151
τ11 114783119
τ19 1991127163
τ23 2359131167
τ31 3167103139
τ35 71107143179

σ1(=e)が2つあるのが気になりますと書きましたが、σ37などのτ1のグループの元を配置しても掛け合わせたものはτ1のグループになります。これにℚ(ζ)にある4つのσ(τ1のグループです)を掛けるとどれかがσ1になります。自由度はかなり高いといえます。

ℚ(ζ)⊃ℚ(ζ^5)⊃ℚ(ζ^45)⊃ℚ の各拡大のガロア群

ζnの包含関係は問題ないでしょう。

ℚ(ζ)内部にあるσ1(=e),σ3773109は、ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)のガロア群です。

ℚ(ζ5)内部にあるσ1(=e),σ1317, σ612941 は、ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)のガロア群です。

ℚ(ζ)/ℚ(ζ45)のガロア群は、ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)とℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)のそれぞれのガロア群の元を掛け合わせたものになります。

ℚ(ζ)/ℚのガロア群は、さらにℚ(ζ45)/ℚのガロア群の元を掛け合わせたものになります。

ℚ(ζ)

ζ1234, ζ6,ζ789, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ1(=e),σ3773109 (ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)のガロア群)

ℚ(ζ5)

ζ510152025, ... ,ζ175

σ1(=e),σ1317, σ612941
(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45) のガロア群. 他にも可能な組み合わせあり)

ℚ(ζ45)

ζ45, ζ135

σ1(=e), σ179
(ℚ(ζ45)/ℚ のガロア群. これも他に候補あり)

1,ζ90

巡回を考える

ℚ(ζ)に書いたσ1(=e),σ3773109は巡回群です。それは、ℚ(ζ5)の元を固定するσを選択すると自然にそうなったのです。一方、ℚ(ζ5)に書いたσは、ℚ(ζ45)を固定するものが多かったので、ζ5を移す先が異なるものを選択するようにしました。この選択の条件にあえて巡回を入れませんでした。ℚ(ζ45)のσはさらに選択肢が増えました。巡回を考慮すると候補は4つになりますが、考慮しなくても自己同型群という意味では問題ありませんでした。

多段階の拡大に分けたのは、各段階の拡大でガロア群が巡回群になるようにするためですので、それを考慮して条件がどのように絞られるかを見ていきます。

次の表は、上の「次の中間体」で出した表と基本的には同じですが、ζ45を固定するもののみとし、生成される巡回群の各元が、対応するτに基づきどのグループに属するかを加えたものです。τの添字は不連続なので順番に0〜5の番号をつけました。これが全部出てくる巡回を探します。

中には2回まわっているものもありますが、これを排除すべききちんとした説明は持ち合わせていませんが、1回まわって位数6というのを採用すると、4つということになります。

上の「適当に巡回して位数が6であるもの」では位数6だけで探して6つという結論でしたが、この内の2つが不適格ということになります。

グルーブσ生成される巡回群(σの添字だけ)グルーブの巡回位数ζ5の巡回(ζの指数だけ)
τ1:0 σ11 0 15
σ3737 109 73 1 0 0 0 0 45 5 5 5
σ7373 109 37 1 0 0 0 0 45 5 5 5
σ109109 1 0 0 25 5
τ5:1 σ4141 61 161 121 101 1 1 4 3 2 5 0 625 125 85 65 145 5
σ7777 169 53 121 137 109 113 61 17 49 173 1 1 4 3 2 5 0 1 4 3 2 5 0 1225 125 85 65 145 5 25 125 85 65 145 5
σ113113 169 17 121 173 109 77 61 53 49 137 1 1 4 3 2 5 0 1 4 3 2 5 0 1225 125 85 65 145 5 25 125 85 65 145 5
σ149149 61 89 121 29 1 1 4 3 2 5 0 625 125 85 65 145 5
τ13:2 σ1313 169 37 121 133 109 157 61 73 49 97 1 2 4 0 2 4 0 2 4 0 2 4 0 1265 125 5 65 125 5 65 125 5 65 125 5
σ4949 61 109 121 169 1 2 4 0 2 4 0 665 125 5 65 125 5
σ121121 61 1 2 4 0 365 125 5
σ157157 169 73 121 97 109 13 61 37 49 133 1 2 4 0 2 4 0 2 4 0 2 4 0 1265 125 5 65 125 5 65 125 5 65 125 5
τ17:3 σ1717 109 53 1 3 0 3 0 485 5 85 5
σ5353 109 17 1 3 0 3 0 485 5 85 5
σ8989 1 3 0 285 5
σ161161 1 3 0 285 5
τ25:4 σ6161 121 1 4 2 0 3125 65 5
σ9797 49 73 61 157 109 133 121 37 169 13 1 4 2 0 4 2 0 4 2 0 4 2 0 12125 65 5 125 65 5 125 65 5 125 65 5
σ133133 49 37 61 13 109 97 121 73 169 157 1 4 2 0 4 2 0 4 2 0 4 2 0 12125 65 5 125 65 5 125 65 5 125 65 5
σ169169 121 109 61 49 1 4 2 0 4 2 0 6125 65 5 125 65 5
τ29:5 σ2929 121 89 61 149 1 5 2 3 4 1 0 6145 65 85 125 25 5
σ101101 121 161 61 41 1 5 2 3 4 1 0 6145 65 85 125 25 5
σ137137 49 53 61 77 109 173 121 17 169 113 1 5 2 3 4 1 0 5 2 3 4 1 0 12145 65 85 125 25 5 145 65 85 125 25 5
σ173173 49 17 61 113 109 137 121 53 169 77 1 5 2 3 4 1 0 5 2 3 4 1 0 12145 65 85 125 25 5 145 65 85 125 25 5

各拡大の巡回群の候補の結論

ℚ(ζ)の中に書くべき巡回群はつぎの2つのうちの一つです。互いに逆回りです。

37>={σ37109731}
<σ73>={σ73109371}

ℚ(ζ5)の中に書くべき巡回群はつぎの4つのうちの一つです。これも互いに逆回りが2組です。

41>={σ41611611211011} 
<σ101>={σ10112116161411}
<σ29>={σ2912189611491}
<σ149>={σ1496189121291}

ℚ(ζ45)の中に書くべき巡回群はつぎの4つのうちの一つです。

19>={σ191}
<σ91>={σ911}
<σ71>={σ711}
<σ179>={σ1791}

ℚ(ζ)⊃ℚ(ζ^5)⊃ℚ(ζ^45)⊃ℚ の各拡大のガロア群が巡回群

ℚ(ζ)

ζ1234, ζ6,ζ789, ζ1112,ζ13, ... ,ζ89,ζ91, ... ,ζ179

σ37109731(=e) (ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)のガロア群)

ℚ(ζ5)

ζ510152025, ... ,ζ175

σ41611611211011(=e)
(ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45) のガロア群. 他にも可能な組み合わせあり)

ℚ(ζ45)

ζ45, ζ135

σ1791(=e)
(ℚ(ζ45)/ℚ のガロア群. これも他に候補あり)

1,ζ90

各拡大のガロア群の積がℚ(ζ)/ℚのガロア群を作ることの確認

以下で他の要素についても確認できます。

各層の生成元の選択からクリックで選択するとガロア群が表示されます。数値はσの添字です。位数は上から 4 6 2 です。

この3つをすべての組み合わせてかけ合わせ、180でmodをとるとℚ(ζ)/ℚのガロア群の元48個が出てくるはずです。

まずい選択はうまく行かなかったときに、どのようなことになるかを示すために加えてあります。

ℚ(ζ)/ℚ(ζ5)生成元の選択まずい選択
...... 3773 clear
ℚ(ζ5)/ℚ(ζ45)生成元の選択まずい選択
...... 4110129149 clear49169
ℚ(ζ45)/ℚ生成元の選択まずい選択
...... 199171179 clear109127

計算で出てきた元の背景色が黄色になり、変換の数が示されます。48個全部に色がついて、数が48になると成功です。

17111317192329
3137414347495359
6167717377798389
9197101103107109113119
121127131133137139143149
151157161163167169173179

変換の数 .

色がつかないところがあって、変換の数が48になるのは同じ変換が複数出てきたということになります。

全部色がついても変換の数が48より多い場合は、同じ変換が複数出てきたということになります。