ファイルマネージャ(Nautilus)のパス表示方法

[ctrl]+L で文字表示/[ESC]で戻る

Debian9のファイルマネージャは日本名「ファイル」versionは3.22.3。名前についての苦情はあとにして、デフォルトの設定で、ほとんどストレスなく使えている。本当の名前ではNautilusという。

nautilusのデフォルトでは現在表示されているフォルダはボタンの並びになる。

Buttonで表現されたpath

[ctrl]+L を打つと入力欄が開き現在のパスが文字列で表示される。[ESC]でボタン表示に戻る。

path入力欄で表現されたpath

何が起こったかというと

Nautilusのタブ表示は便利で使っているが、複数のウィンドウで使うことも多い。あるとき、ウィンドウの一つがパスを文字列で表示するようになった。Nautilusのツールバー(タイトルバーに融合したようになっているが)には親フォルダへの移動ボタンがなく、[<][>]は戻る/進むボタンなのでちょっと違う。

このウィンドウの全部のタブがこうなってしまい、ちょっと不便を感じたが、戻す方法がわからない。

Nautilusはもともとパスが文字列で表示されていたものが、あるバージョンからボタン表記になった。変わったときには /srv/www/images などというパス名をコピーできなくなって不満だった。しかし、今回ボタン表記に馴染んでしまっている自分に気がついた。

メニューや設定を探したが見つけることができない。ふと思い立って「nautilus パス表示 ボタン」で検索。上記の答えを得ることができた。

落ち着いて見ると、「キーボード・ショートカット」に[ctrl]+Lは書いてあった。

[ctrl]+L 場所を入力する
/ ロケーションバーを開いてルートフォルダを入力する
~ ロケーションバーを開いてホームフォルダを入力する

GUIにおいてキーボード・ショートカットは熟練者が使う「ショートカット」であって、本来の道がなくて近道しか無い場合はそれは近道と呼ばない。私はショートカットには本来の道があるので本来の道を探せると思ってこのページを見なかったのだ。

加えてなぜ「ロケーションバーを開く」ではなくて「場所を入力する」なのか。私なら入力するためではなく、パスを文字列としてコピーするために開く。

さらに通常の表示に戻す方法が書いていない。

Gnome shell のGUI

nautilusは Gnome shell の標準ソフトウェアなので、GUIはGnomeのマナーに則っている

Gnome2までは各ソフトウェアのウインドウはタイトルバー、メニューバー、ツールバーの3行が上部にあったが、それを1行で済まそうとしている。タイトルバーからは[×]ボタンだけ、メニューバーから厳選されたメニューが[三]のボタンからアクセスできるようにし、ツールバーからは検索やファイルのアイコン/一覧表示の切り替え、戻る・進むのボタン、そしてパスのボタンとなる。

メニューの[三]をクリックすると、

三本線のメニュー

そして、デスクトップの最上部にタスクバーがあり、左端のアクティビティボタンの右に、[ファイル]とある。ここには現在アクティブになっているウィンドウで働くソフトの名前が入ってクリックすることができる。

タスクバーのメニュー

これは各ウィンドウにあるタイトルバーをアクティブな時にデスクトップの最上部の共通部分に交代で表示するというアイディアで、Ubuntuで採用されたりしたunityに近い。

だからタイトルバーにあった終了などのメニューが入っている。これにメニューバーにあったメニューを入れている。でも全部ではない。Gnomeでは操作できることは少ないほうがユーザーの負担にならないという考え方が少々強くなっている気がする。

どの機能を頻繁に必要とするかという判断は概ね賛成できるが、あまり使わないものをまったく隠してしまうのはちょっと賛成できかねる。

上記のタスクバーのメニューから「設定」を開けるとこうなる。

タスクバーの設定内容

名前についての苦情

ファイルマネージャを起動するボタンのアイコンはファイルキャビネットです。これはわかりやすい。

添えられる文字列は「ファイル」です。ファイルマネージャが長かったのでしょうか。

でも「ファイル」はワードプロセッサに「ワード」(単語)という名前をつけたり、ウィンドウシステムに「ウィンドウズ」と名前を付けるのに似ています。同様の機能を持つソフトウェアの一つでなく、唯一無二のものなのだという主張のようです。WordやWindowsは結果的にそれに近いものになりましたが、強引なやり方だったと言えます。

でもGnomeでは、「ファイル」という名前が添えられたアイコンを表示させるのは、org.gnome.Nautilus.desktop という名前のファイルであり、これで実行されるのは /usr/bin/nautilus です。

「nautilusという名前ではファイルマネージャであるということがわかりにくいから、機能がわかる名前にする」という思想は間違っていないとは思いますが、「ファイル」というのは機能の名前ではないし、この名前から実行ファイルや設定ファイルを探すことができないのはとても不便です。

最初に作られたファイルマネージャが「ファイルマネージャ」だったとしましょう。その機能やインターフェースに不満な人があたらしいファイルマネージャを作った時に、名前が「ファイルマネージャ」だと区別がつかないわけです。機能を表す名前には限りがあり、似たような名前では印象がわかない。そんな歴史から生まれた名前がnautilusだったのだと思います。あまり杓子定規に考える必要はないと思うのですがね。