公開日 2023-02-17 更新日 -
組み立てたPCのスペックの再掲載。詳細は前のページにあります。
部品 | 型番・規格 |
---|---|
マザーボード | ASRock A520M PRO4 |
CPU | AMD Ryzen 7 5700G |
メモリ | A-DATA DDR4 SDRAM(DDR4-3200) 16GB×2枚 |
ストレージ | Crucial M.2 2280 NVMe/PCIe Gen3 x4 SSD 500GB |
インストールイメージ | debian-11.3.0-amd64-netinst.iso |
non-freeのドライバを入れるためにリポジトリを変更し、ドライバを追加します。ディスプレイの諸元を取得したり、複数のディスプレイを使うにはドライバを追加(変更)する必要があります。サスペンドや画面ロックもnon-freeのドライバなしでは不具合がでるかもしれません。(今回はこれにハマっていないので確証はないです)
用意したディスプレイが解像度に見合う大きさがなかったので、それを補うために分数スケーリングを導入して、デュアルディスプレイで使うことも行いました。
初めてのログイン後のデスクトップ。左上の[アクティビティ]ボタンがアプリケーションソフトのメニューとウィンドウ切り替え。右上は音量調節やLAN, bluetoothの設定、その他の設定の入口。電源オフもここから。
ファイルマネージャを起動。ここはホームで、予め作られた分類フォルダの名前は日本語化されている。Windowsで初めて分類フォルダが置かれたときは押し付けられたという違和感があったが、流石に慣れてしまった。フォルダ名はのちほど英語名に変える。
設定の入口からディスプレイを選ぶと、1920×1080の不明なディスプレイとして認識されている。つないでいるディスプレイは4Kのもの一台のみ。
設定のメニューの一番下に「このシステムについて」という項目がある。ホスト名やCPU、メモリの量、OS名などが表示される。赤い線のところにはグラフィックのドライバが表示されている。llvmpipeとある。後ほどファームウェアを追加するとここが変わる。
ネットワークの項目。今回は有線LANでインストールしたので、楽であった。LANの家庭用のブロードバンドルーターのDHCPにより、IPアドレスが設定されている。右の☼(工場のマークやウニに似た印)から設定変更が可能です。
GNOME3のメニュー。3ページのうちその1。左に縦にあるのがよく使うものとして配置されるドック。その一番下の3x3の白丸が画面いっぱいに出されるメニューへのボタン。
GNOME3のメニュー。3ページのうちその2。名前の文字コード順になっているが、ページ数や行数、列数はどう決めているのかは不明。以前に比べて、GIMPがなくなっている。(インストールすれば出てくる)
GNOME3のメニュー。3ページのうちその3。改めて見るとゲームが多い。カードゲームとか五目並べのたぐいではあるが。
ユーティリティの中にあるシステムモニタ。このCPUは8コア16スレッドで動作なのでCPUの使用率は16個ならぶ。
まず、フォルダ名の英語化
ユーザーホームには、デスクトップ、ドキュメント、ダウンロード、音楽、画像、公開、ビデオ、テンプレートというフォルダが自動的に作られます。GUIではこれでもいいのですが、端末からコマンドで操作するときにはASCIIの範囲の名前のほうが都合が良いので変更したくなります。
毎回やりますが、bullseyeでも同じでした。
ファイルマネージャを閉じた状態でやるほうがいいでしょう。
一般ユーザでいいので、「端末」から
$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
とします。
出てくるダイアログで Don't ask me this again にチェックを入れて[Update Names]をクリックします。
パッケージマネージャ(snsptic)を起動し、メニューの設定からリポジトリを選びます。最初だけ紹介が出ます。
初期状態ではcontribとnon-freeにチェックが入っていません。この2つにチェックを入れます。Debianでは改変して再配布することを禁止するなど使用方法に制限があって、完全にはfreeでないものを contribやnon-freeに分類し、個人の判断で追加するようにしてあります。
再読込は、contribとnon-freeのパッケージ一覧を取り寄せるということです。
パッケージに検索をかけます。パッケージマネージャ(snsptic)のメニューから「検索」を選んで firmware と入力して、検索します。
firmwareは、ここでは接続した機器を使うためのドライバです。
パッケージ名と説明の中にfirmwareと言う言葉が含まれているものが、表示されます。緑の四角(■)がついているものが、すでにインストールされているパッケージです。パッケージを選択すると下部に説明が出ます。
必要なものを選択して、マウスの右クリックのメニューから「インストール指定」で印をつけていきます。
パッケージ間には依存関係があって、たとえば firmware-linux を選択すると firmware-linux-free と firmware-linux-non-free を一緒に選択することと同じだったりします。また、自動で追加されるものもあります。あまり気にせずに、説明の中のメイカー名や製品名を頼りに選択していきます。
選択し終わったら、[適用](指定された変更を適用)をクリックします。次のような確認画面が出ます。今回のパッケージ追加では、自動で追加されたものを含めて以下の6つでした。
firmwareを追加するとグラフィックは AMD Renoir になり、ウインドウシステムは X11 から Wayland になる。 AMD Renoir はCPU内臓のグラフィックである。
1920×1080の不明のディスプレイだった表示が、Stargate Technology28" 3840×2160 に変わっている。(設定画面の左側にあったメニューはウインドウが小さいと隠れるようになっている)
28インチに1920×1080が4枚詰め込まれていることになるので、14インチで1920×1080のディスプレイに表示される文字の大きさの計算になる。
サイズ調整ができるようになっているが、100%の次の200%にすると縦横が2倍の大きさに拡大表示される。つまり、実質1920×1080のディスプレイになってしまうので、面白くない。
そこで、より細かい設定であるTweaksをのフォント項目を使って、とりあえずフォントを1.5倍にして対処する。これは後でもとに戻し、分数スケーリングを使うことになる。
フォントの倍率は枠が元のままなのでバランスが悪くなる。しかも全部が指定通りになるわけではないようだ。
設定のアクセシビリティの項目で「大きな字」をONにすると1.25倍になる。これもまあまあよい。
自宅で使うにはしばらく操作がなかったからと言って画面をロックされると、いちいちパスワードをいれるのが面倒なので、解除しておく。
前の自作PCではFirmwareの追加前だとロックから戻れなくなる不具合があった。リセットしなければならなくなる。最初にやっておくのが吉であった。
ただ、しばらく操作がなかったときには画面をオフにし、さらにサスペンドの状態にするのは残しておく。自動画面ロックを解除しておけば、マウスやキーホードの操作だけでパスワードなしで戻る。
次の3つは別概念である。
(1)ブランクスクリーン:画面が暗くなる。 (2)自動画面ロック:ブランクやサスペンドから戻るときにパスワードを要求。 (3)自動サスペンド:ファンが止まりスリープ状態になる。マウスやキーボード操作で戻る。
ドライバを追加することで、解像度、3840×2160 が活かされることになったのだが、文字が小さすぎる。一段低解像度にするか、縁が小さくなっていることを考慮して大きなディスプレイにすればよかったのだが、つい多く売られている 28インチで 3840×2160 にしてしまった。
上にも書いたように、設定でサイズ調整ができるようになっているが、100%、200%、300%、400%と整数倍しかない。つまり100%の次の200%にすると縦横が2倍の大きさに拡大表示されるので、3840×2160 が 1920×1080 と同等な表示になってしまうということになる。これは高解像度を選んだ意味がまったくなくなるので不本意。
そこで、200%より小さい150%とか125%にできないのかという発想が、小数値のスケーリングとか分数スケーリングとか呼ばれるものです。名前は「Fractional Scaling」の訳だそうですが、どちらにしてもわかりやすくはありません。確かに125%は1.25倍ということで小数値ではあります。
Waylandの場合には端末から次のようなコマンドで、分数スケーリングを使うことができるようになります。場合によってはログインし直してから有効になるかも知れません。デメリットは描画が遅くなることですが、さほど感じません。
$ gsettings set org.gnome.mutter experimental-features "['scale-monitor-framebuffer']"
もとに戻すには
$ gsettings reset org.gnome.mutter experimental-features
とします。
以下のところから知識を得ました。
https://wiki.archlinux.jp/index.php/HiDPI
https://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0566
実際にやってみるます。次の図は端末でコマンドを打っている様子ですが、1つ目の scp ebook.local ... は文字の大きさを比較するためのもので説明に関係ありません。gsettings set org....の部分が必要な操作です。(このウィンドウのスクリーンショットを撮ると保存される画像は786x533です。GNOMEデスクトップではウインドウの周りに影をつけて表示しますが、これはスクリーンショットでは透明度をもった枠になります。これを含めた大きさが786×533です)
設定の「ディスプレイ」の項目を開き直すと、サイズ調整に125%や150%が追加になっています。
125%を選ぶと上部に[適用]というボタンがでます。
[適用]ボタンを押すと画面が暗くなって、確認ウインドウが出ます。「変更を保存」を押すと適用されます。
これでウィンドウも文字と共に大きくなります。後で大きさを調べようとウインドウのスクリーンショットを撮ると2倍の大きさの画像になっていました。このページでは多くの画像が600pxに縮めて表示しているので、変わらないように見えます。クリックすると本来の大きさになります。また、画像のそばにaaaxbbbとあるのはピクセル数です。
端末のウインドウの大きさも2倍です。この画像から、ログインし直さずとも gsettings set org....が適用されていることがわかるでしょう。
150%にすると、見た目は125%に比べてそれなりに大きくなります。しかし、スクリーンショットの画像は125%と変わりません。
端末のウインドウの大きさもおなじです。
スクリーンショットを切り貼りして比較しても確かにそうなっています。
ただ、これは設定の端末のウインドウだけで、デスクトップのアクティビティの表示と、firefoxの表示は、文字、デザインともにうまく行っているようです。
サイズ調整で画面がそれほど広くなくなったので、ディスプレイを2つにします。
接続しただけで、設定のディスプレイの項目で認識されたものが表示されて、GUIで操作できます。便利になったものです。
サイズ調整がディスプレイごとにできるようになっています。これは当然で、こんな時こそ必要になる機能です。
[1]には 1920×1200 のディスプレイ、[2]には 3840×2160 が配置されています。
[2]の 3840×2160 の方の表示を大きくしたいので、こちらを150%にして、[1]の方は100%のままにします。上部の図では[1]の方が拡大されたように見えますが、[2]の表示物が拡大される結果、[2]の表示できる範囲が 3840×2160 より狭くなるので、感覚的にはしっくりきます。もちろん、実際の画面に反映されるのは、上記のごとく適用のための一連の操作が必要です。
サイズ調整のときに、実際にはどのように拡大されるかウインドウのピクセル数で探っていたときに、3840×2160のディスプレイを1.5倍に表示するということから、3840の方になにか操作をするのだろうと考えていたのですが、それだと結果と数が合いません。
どうやら、3840×2160のディスプレイを1.5倍に表示するために、1920×1200の方のディスプレイを1.5倍にしたバッファに描画して、その後全体を1/1.5に縮小して表示するということらしいのです。
その推測に基づいて作った表を示しておきます。
画面全体のスクリーンショットのピクセル数を横だけ(ディスプレイは横に並べたので)調べたものと、その数になる推測の式を並べたものです。
倍率 | 全画面 スクリーンショットの 横ピクセル数 |
考えられる計算 | 3840ディスプレイの 実質ピクセル数 |
---|---|---|---|
100% | 5760 | 1920*1.00 + 3840 | 3840 |
125% | 6240 | 1920*1.25 + 3840 | 3072 |
150% | 6720 | 1920*1.50 + 3840 | 2560 |